甦る記憶
先日の社内研修の際に講師から5S・立礼・マナーについてのお話しもしていただき、心動かされる事ばかりであった。それをトリガーに甦る記憶。
去る20年前、私は武道系の部活に勤しむ学生であった。目上の人への敬語は絶対だし、校内で先輩と顔を合わせたら、頭を下げておはようございます、こんにちは、と必ず挨拶する必要があり、とにかく礼儀を重んじられた。
環境整備も一年生の頃から徹底的に習慣づけさせられていた。練習前に掃き掃除と拭き掃除。練習中も、道場前に並んでいる履物が乱れていたら自分のでなくてもすぐに揃える。
そして、毎日欠かさずに練習前に神前礼拝と1分間の黙想の時間があった。なによりも大事なのは心の状態だからである。常に自分と向き合う必要があった。
学生の頃は怒られたくないばかりに決められた事をこなしていただけだったけど、今はもう、そうではないし、そうではいけない。あの時の全てが今日の自分に必要な事だったのだと点と点が繋がった。初めての体験。
人と人であるからこそ、心を働かせて礼を尽くしたいと思う。いつまでも一方通行でいるのは虚しい。私には心がある。これを読んでくれているあなたにも。だからこそ、相手の状況を想像する力を養って、そして心に寄りそいながら、できる事を一緒に考えたい。誰かにとっては戯言でも、私は自分自身にそう願う。

桜の蕾に記憶を寄せて。
担当T